#2 初舞台(マンハント)

1 行動派探偵小説史

3 〈1939〜45〉職業探偵ぞくぞく開業

第二次世界大戦

 

 独軍のポーランド侵入を口火に全世界にひろがった戦火は、1941年12月7日、日本軍の真珠湾奇襲攻撃によって、それまで中立であったアメリカもついに参戦、戦争は人類の歴史はじまって以来の最も悲惨で大規模なものとなりました。

 いまわしい戦争の記憶は、多かれ少なかれ、私たちの心に強く焼きつけられています。

 戦争の記憶と、奇妙な連想のとりことなり、逃走本能に駆られて発狂する軍医を主人公にした『逃走』というエヴァン・ハンターの短篇があります。

 12月7日の悪夢のような思い出は、アメリカ人にとって、十数年たった今日でも、ぬぐいさることができないほど強烈なのでしょう。

 二次大戦中の作品を大きく四つに分類すると、ハード・ボイルド私立探偵の活躍するもの/サスペンス・スリラー/ユーモア味のあるコンビ探偵/にまざって、スパイ小説の台頭が目につきます。

 しかし、この時期の作品には、それほど強く戦争の影響はあらわれていません。

 戦争が人間に与える影響は、かえって戦火が静まってしばらくたってから、いろいろな形をとってあらわれてくるのでしょう。

 1939年〜40年にかけて、多くの職業的私立探偵が開業していることがまず目立ちます。

 E・S・ガードナーがA・A・フェア名儀で発表したバーサ・クールとドナルド・ラムのコンビ探偵は1939年、ただし第一作にはラムは出ていません。女性の職業的な探偵が、ポピュラーな形で誕生したのはこの時です。

 ガードナーはペリイ・メイスン弁護士シリーズについで地方検事ダグラス・セルビイものも書きはじめました。(1940年)

 チャンドラーのフィリップ・マーロウも1940年『大いなる眠り』『さらば愛しき女よ』で本格的に大事件に取組み、助手のアーチー・グッドウィンの活躍で行動性を盛りこんだレックス・スタウト(Rex Stout 1886〜(*1)アメリカ探偵作家クラブ14代会長)のネロ・ウルフは、30年代のなかばから探偵業をはじめています。

 これらの高名な探偵の中に、最近シグネットやエイヴォンブック(*2)でリバイバルしたクリーブ・F・アダムス(*3)(Cleve F. Adams) のものがあります。

 作品も少なく、一作ごとに私立探偵も異なっていますが、粒ぞろいのものがそろっています。

 当時の小説は、スパイ活動やサボタージュ運動が大きな比率を占めていました。

 C・F・アダムスの作品に『サボタージュ』(39)というのがあります。

  パロス・ヴェルデ市。

  主産物=悪徳、殺人、サボタージュ。

  人口=急速に減少中。

 この、ぶっそうな地方の小都市に出張した私立探偵が、市のボスと対立する建設中のダムの請負会社との間の紛争にまきこまれる話です。

 前回お話したニューディール政策の一環としてT・V・A(テネシー河開発計画)(*4)のダム工事は有名ですが、この作品にもダム工事と、それにからむサボや紛争や暴力が題材としてとり入れられています。

 

「ここは測量事務所ですよ。必要なものは何でもそろっていますわ」

と、ひとくせあり気な受付のオールドミス。

「ありがと、だが俺はセールスマンじゃないんだ。もしそうなる時がきたら、あんたにまっさきに知らせるよ。俺はカーマイケルって奴に会いたいんだ」

「カーマイケル様ですか?」

「俺にとっちゃただのカーマイケルさ。つけたけりや〝様〟をつけてもいいがね」

 

 また『私立探偵』(42)という作品では、警官出身のJ・J・シャノンという探偵が、昔の恋人の依頼を受けてニュー・メキシコに出かけます。

その街では救世軍が街角で太鼓を鳴らしている効きめもなく、1/4日の問に1ダースの喧嘩と2つの殺人事件が起るという状態です。

 シャノンには、おしゃべりで小心者のガスというオランダ人の助手がいますが、二人のやりとりが愉快です。

 

 ガスはいつもコソコソとひとに頭をさげている典型的な私立探偵の雰囲気を身につけている。そいつがこの商売の評判をひどく悪いものにしているのだ。

「俺が死ぬと役に立たなくなるぜ、J・J」

「どうかなガス、お前って奴は生きていてもあんまり役に立たないぜ」

「俺は、小さな町のシェリフに、ああしろ・こうしろと命令されるのが気にくわない」

「だけど、この町の連中はどうも俺の顔が気に喰わないらしく、整形手術をしてやるっていっているんだ」とガスはもう逃げ腰になっている。

「それに、ここの署長の眼ときたら、今まで俺が見たなかで二番目に残酷なんだ。一番目は、サンディエゴの動物園の虎の眼だがね」

「だけど、私はガスのほうが好きよ」

「そうだろうとも、あんたときたら、パンツをはいているものなら誰でもすぐ好きになるって女なんだからね」

 

 C・F・アダムスには、このほか麻薬取締官や保険会社の探偵を主人公にした作品もありますが、いずれも各作ごとに異なる主人公・舞台を駆使し、地方都市にはびこる悪徳との対決ということがテーマになっています。

 

アマチュア探偵

 

 このほか、日本にはあまり知られていないポピュラーな作家が二、三います。

 職業的な私立探偵でなく、本職を別にもっている男が殺人事件にまきこまれる――といったものが多くあります。

 ケン・マードックというプロ写真家を主人公にした作品で人気のあるジョージ・ハーマン・コックス(George Hermon Coxe)(編注・George Harmon Coxe)アメリカ探偵作家クラブ八代目会長)も、行動性の強い作風で書きつづけています。

 30年代のはじめから筆をとっているF・ヴァン・ウィック・メイスン(F. Van Wyck Mason)という長ったらしい名前の作家は、後に述べる冒険小説・スパイ小説を書いています。彼の作品には、ヒュー・ノース陸軍大佐が登場します。最近ポケットブックで装いを新たにして次々にリプリントされています。

 写真家・軍人と、これらの主人公は職業的な探偵ではありませんが、そのなかでも変り種はジョン・ローバート(John Roeburt)という作家のものです。

 彼には、古い作品では『酒と女と殺人』(44)『マンハッタンの殺人』などがあり、最近ではテレビのシナリオを書いています。

 彼の初期の作品には、ジジャー・モーラン(*5)というブロードウェイ通(つう)タクシーの運転手が登場します。

 エイヴォン・ブックでリバイバルし、最近ではシグネットなどに新作を書いています。

 これらの作品は、日本ではあまり知られていませんが、新装本となって再登場して私達の眼にとまるわけです。〝リバイバル〟という私の意味は、30年代から40年代にかけての古い作品が、版権切れや最近の時勢にマッチした内容・傾向のゆえに新たにペイパーバック本で出版されることをさしています。

 作家としての長い人気を保持するには、なんといっても大衆に親しまれる探偵を全作品に登場させることでしょう。

 私立探偵は、ニューヨーク/シカゴ/ブロードウェイあたりに多いのですが、じょじょにフロリダやカリフォルニアにもポピュラーな探偵が登場してきました。

 次の紹介する、マイアミ/ニューオルリアンズ(*6)を繩張りにする赤毛の探偵マイク・シェインも、その一人です。

 

マイク・シェイン

 

 ブレツト・ハリデイ(Brett Halliday)つくるところのマイク・シェインは、新春から日本のテレビにも登場してますが、ざっと略歴をお話しましょう。

『死の配当金』(*7)(39)でデビューしたマイク・シェインは、その事件の依頼者フィリスと第二作で婚約・結婚。第三作『不平をいわぬ死体』では彼女が良き秘書役をつとめています。

 第七作『殺人はミイラのマスクの蔭に』(*8)(43)で二人は遅まきながらコロラドに新婚旅行に出かけ、そこで起きた事件落着後、マイアミに戻ります。妻のフィリスは数ヵ月後、出産のとき死んでしまいます。

 失意のあまり彼は探偵業から足を洗おうと決心しました。このあたりは作者自身の過去に大いに関係がありそうです。

 当時のアメリカは戦時中の配給制度で、いたるところにブラック・マーケットが栄えていました。親友の死がシェインを再起させた第八作は『闇市の血』(44)という作品です。

 次の『長いチャンス』(*9)(45)では古巣のニューオルリアンズに戻り、その事件以後、彼の恋人兼秘書となったルシイ・ハミルトン(*10)を無実の罪から救ってやります。シェインにはまた、ティモシー・ルークという新聞記者の友人がいます。ほとんど事件の舞台はマイアミですが、ニューオルリアンズ/エルパソ/ケンタッキーにも出張しました。

 マイク・シェインはもちろん架空の人物ですが、雑誌『マイク・シェインM・M』の発行や、本の編集にいつも一役買っています。

『夜に目覚めて』という作品は、作者のハリデイ自身が登場する探偵作家クラブの会ではじまるものですが、応援にマイクが出向いてきたりして、なかなか愉快です。作者が彼の作った登場人物と話をするのです。

『M・S・M・M』誌の中篇・長篇をまぜれば作品は40に近いでしょう。

 

古い作家たちの作品

 

 この時期には、前回紹介した作家たちも、ひきつづいて作品を書いています。

 めぼしい作品だけを紹介してみましょう。

 R・チャンドラー『大いなる眠り』(40)(*11)『さらば愛しき女よ』(40)『ハイウィンドウ』(*12)(42)『湖中の女』(43)

 J・M・ケイン『ミルドレッド・ピアース』(41)『恋はからくり』(42)『嵐の中の女』(44)(*13)

 J・ラティマー『暗い記憶』(40)『ジョッパーの帰還』(*14)(41)『ニューオルリアンズの夜』(42)『ガラスの鍵』(*15)(42)

 G・バグビイ『かつらの死体』(40)『赤は殺しの印』(41)『死体がやってくる』(41)『罪あるもの』(42)『デッド・オン・アライバル』(44)(*16)

 L・チャータリス『最後の英雄』(39)(*17)『マイアミのセイント』(40)『セイント西部へ行く』(42)『セイント乗り込む』(43)『守勢のセイント』(44)英国の紳士快盗セイントことサイモン・テンプラーはこの頃、戦火を避けてアメリカに亡命していたのでしょう。

『マイアミのセイント』が40年、J・ラティマーが『ニューオルリアンズの夜』を42年、ちょうど、マイク・シェインが開業したころですから、メキシコ湾ぞいの都市で三人の探偵が顔を合せていたかもしれません。

 

スパイ/サスペンス・スリラー

 

 このような私立探偵を中心とした作品のほかに、この時期に目立つことは、スパイ小説が盛んになったこととサスペンス・スリラーが登場したことです。

 スパイ物ではオッペンハイム/バッカン/グリーン/モームなどの伝統を受け継ぐ英国が優勢でした。

 『恐怖の背景』(37)『スパイへの墓銘碑』(38)『裏切りへの道』(38)『ディミトリオスの棺』(39)『恐怖への旅』(40)などを発表したエリック・アンブラー(別名エリオット・リード1909〜)(*18)は、二次大戦中にいちじるしい飛躍をとげたスパイ小説に大きな影響を与えています。

 アメリカでは女流作家のドロシイ・B・ヒューズやヘレン・マキネス(*19)、異国情趣・東洋趣味の強いサックス・ローマー(Sax Rohmer)などがスパイ・冒険小説を書いています。

 S・ローマーは、モリス・クラウ(*20)という探偵を1920年代に登場させている古い作家ですが、最近ゴールド・メダルから、怪博士フー・マンチューや絶世の美女スムルが活躍するシリーズを次々に書いています。

 後でお話するロックリッジ夫妻も、英国諜報部とF・B・Iが協力して事件を解決するスパイものを1945年に、ウィリアム・アイリッシュも『暁の死線』を1944年に発表しています。

 英国には、イアン・フレミングの秘密情報局員、ジェイムズ・ボンドものやP・チュイニイの作品があります。P・チュイニイについては前回でもお話ししましたが、英国の作家なのに、登場する人物も舞台もアメリカが多いという変り種です。

 F・B・I局員(Gメン)レミイ・コーション=シリーズ(*21)(処女作は36年)はフランスで数作映画化されています。

 スパイものではスリム・キャラハン=シリーズのほかに〝暗黒シリーズ〟(原名にDarkが入っているもの)が七作あります。"Dark Duet" "Dark Interude "(編注・正しくは Dark Interlude)"Dark Wanton"(編注・正式タイトルはCase of the Dark Wanton) "Dark Street"(編注・正式タイトルはThe Dark Street)等々です。

 アメリカにもC・I・A(米国中央情報局)というのがあり、サム・デュレル(Edward S. Aaronの作中人物)(編注・正しくはEdward S. Aarons)や、ミロ(*22)・マーチ/キム・ロック少佐(いずれもM. E. Chaberの作中人物)といった優秀な情報局員をそろえています。

 スパイ小説とならんで、コーネル・ウールリッチや、ブルーノ・フィッシャー(Bruno Fisher(*23))などに代表されるサスペンス・スリラーという新しい分野が誕生しました。

 ウールリッチが〝ブラック・シリーズ〟を書きはじめたのは一九四〇年です。

 『黒衣の花嫁』(40)『黒いカーテン』(41)『黒いアリバイ』(42)『黒衣の天使』(43)『暗黒の迷路』(*24)(44)といずれも原名に"Black"という語が使われています。

 彼の名声を一躍高くした『幻の女』(42)は前述の『暁の死線』同様、ウィリアム・アイリッシュ名儀で書かれたものですが、この二作家が同一人であるという事は長い間わかりませんでした。

〝ブラック・シリーズ〟の手法は、しめつけるようなサスペンスと哀愁を秘めたムード、運命の皮肉さ、悲劇性、のミックスにあります。獣性と悲劇性・感傷は人間性の裏表であり、ぎりぎりの場に立たされた人間の行動を動機づける二つの大きな要素でしょう。

 B・フィッシャーは、野獣派という名称で、ぼつぼつ紹介されましたが、長い作歴を持つ作家です。

『血がいっぱい』(39)の『正直者の隠れ家』(*25)(44)は『大鴉が告げた』(44)『死者の笑み』(45)などの作品を発表し、ニューヨークの私立探偵ベン・ヘルムが初期の作品では活躍しています。最近では、もっぱらゴールド(*26)の常連書き下し作家になってしまいました。

 

ユーモアコンビの登場

 

 戦争という大きな悲劇を直接反映して、記録文学/スリラー/宗教小説などが栄え、ついでユーモア味のあるコンビ喜劇が人の心をうるおす役割りをしました。喜劇タッチの作品が緊張感の解放として受けたことはうなずけることです。

 夫婦喜劇にスリラーをミックスした〝おしどり探偵〟の草分けは、D・ハメットのニック・チャールスものですが、前述のロックリッジ夫妻(F & R. Lockridge)合作のノース夫妻/C・ライスのヘレンとジューク(*27)夫妻プラス酔いどれ弁護士マローンのトリプルコンビが、この種のものでは最もポピュラーです。

 ノース夫妻は32年頃から雑誌に登場、長篇『ノース夫妻の初事件』は40年でした。

 C・ライスは『8対3』(*28)(39)が処女作で『大はずれ殺人事件』(40)『大あたり殺人事件』(41)が続きます。

 ユーモアタッチのものでは、色気はありませんが男性二人組コンビがあります。同じライス女史の街頭写真家コンビ、ハンサムとビンゴ(『セントラルパーク事件』(42)『七面鳥殺人事件』(44)や、前号紹介しましたF・グルーバーの香具師コンビ、フレッチャーとサム・クラッグ(『フランス鍵』(*29)(40)『笑う狐』(40)「海軍拳銃」(41)『大馬鹿野郎』(41)『贈物の馬』(42))ものが草分けでしょう。

 ハンサムとビンゴはいつかハリウッド入りをして成功しようと野心を抱いていますが、映画界・芸能界が舞台になるようになったのは、この頃からのことです。

 ジプシー・ローズ・リー(Gypsy Rose Lee)というアメリカの一流ストリッパーが、芸能界の裏話を盛り込んで、彼女自身を主人公にした。ストリッパー探偵を41〜42年に発表し、評判を得ています。(*30)

 

ハード・ボイルド派、第二期に入る

 

 出版界では、ポケット/バンタム/シグネットというペイパーバックの老舗(しにせ)が出版を始め、E・Q・M・M誌が41年に創刊。〝探偵小説の在り方〟という根本的な問題について多くの論争がありました。

 C・D・ルイス(別名ニコラス・ブレイク)『探偵小説の意義』(*31)(42)

 アンドレ・ジイド『架空対談』(*32)(44)

 E・ウィルスン『探偵小説論』(*33)(44)

 モーム/チャンドラー等の『反論』、および、ウィルスンの『再反論』(45)/R・チャンドラー『単純なる殺人芸術』(*34)(44)等、いずれもハード・ボイルド探偵小説の再認識をうながしました。           

 

(つづく)

 

*出典 『マンハント』1961年3月号

 

 

[校訂]

*1:1886〜 → 1886〜1975

*2:エイヴォンブック → エイヴォン・ブック(中黒あり、英語では複数でも、小鷹氏はずっと単数の表記だった)

*3:クリーブ(クリーヴ)・F・アダムス(アダムズ)

*4:T・V・A(テネシー河開発計画) → TVA(テネシー川流域開発公社)

*5:ジジャー・モーラン(ジガー・モラン)

*6:ニューオルリアンズ(ニューオーリンズ)

*7:『死の配当金』 → 『死の配当』

*8:『殺人はミイラのマスクの蔭に』 → 『殺人の仮面』

*9:『長いチャンス』 → 『シェーン勝負に出る』

*10:ルシイ(ルーシー)・ハミルトン

*11:(40) → (39)

*12:『ハイウィンドウ』 → 『高い窓』

*13:『嵐の中の女』(44) → 『嵐の中の娘』(40)

*14:『ジョッパーの帰還』 → 『彼女はゴースト』脚本

*15:『ガラスの鍵』 → 『ガラスの鍵』脚本

*16:(44) → (46)

*17:(39) → (30)

*18:1909〜) → 1909〜98)

*19:ヘレン・マキネス(マッキネス)

*20:モリス・クラウ(クロウ)

*21:レミイ・コーション=シリーズ → レミイ・コーション・シリーズ[ダブル・ハイフォンではなく、中黒]

*22:ミロ(マイロ)・マーチ

*23:Bruno Fisher  →  Bruno Fischer

*24:『暗黒の迷路』 → 『恐怖の冥路』

*25:の『正直者の隠れ家』(44)は → 『The Hornet’s Nest』(44)[Hornet’s を Honest と読み間違えたのかも?]

*26:ゴールド → ゴールド・メダル

*27:ヘレンとジューク(ジェーク)

*28:『8対3』 → 『時計は三時に止まる』(小鷹信光訳、創元推理文庫)

*29:『フランス鍵』 → 『フランス鍵の秘密』

*30:ジプシー・ローズ・リーの『Gストリング殺人事件』と『ママ、死体を発見す』はクレイグ・ライスが代作したという噂がずっとあったが、現在はリー自身が執筆したという説が有力。

*31:『探偵小説の意義』→『なぜまた探偵小説が?』

*32:アンドレ・ジイド(ジッド)『架空対談』→『架空会見記』

*33:『探偵小説論』→『探偵小説なんかなぜ読むのだろう?』

*34:『単純なる殺人芸術』→『むだのない殺しの美学』(村上博基訳、早川文庫刊『チャンドラー短篇全集4/トラブル・イズ・マイ・ビジネス』収録)という邦題を小鷹さんは好んだようだ。

 

 

▶︎4 〈1945〜50〉戦後作家売り出す

 

 

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