#2 初舞台(マンハント)

4 行動派ミステリィの作法/最終回(*1)

12 マンハントのサムライたち

◆マンハントの業績

 

 昨年の七月号に開講以来、十一人の作家についてお話してきた行動派ミステリィ作法『作家と作品』も今回でひとまず終らせていただくことになりました。言い忘れたこと、書きのこした作家、リストなどのミスも少なくありませんでしたが、長いあいだおつき合いいただき、心から感謝しています。

 今回は、特定の作家をあつかわずに、雑誌Manhunt を舞台にして活躍した『マンハントのサムライたち』を中心におしゃべりさせてもらいます。

 十三回にわたる連載をかさねながら、いちばん勉強させられたのは私自身でした。行動派ミステリィ――あるいは広義に行動派犯罪小説といってもよいかもしれませんか、この言葉についてもお話する機会がなかったことも残念なことのひとつです。

 ハードボイルドと行動派とは、もちろん同義ではありません。小説作法上、行動が主で推理が従という、推理・本格派に対する言葉として行動派ミステリィを受けとっていただきたいと思います。〝犯罪小説〟も広い意味をもった言葉ですが、あるひとつの作品を何派・何小説と呼び、既成の枠の中にあてはめるなどということは無意味なことです。

 評論の方法として、出版の手段として、小説にはられるレッテルほど、作家にとってめいわくなものはないでしょう。

 何派と呼ぶにたるつながり――環を証明するにはもっともっと数多い作品を読み、伝統と呼べるほどのものを見いだすまでにいたらねば不可能なことです。じゅうぶんに紹介も研究もされていない犯罪小説を、ある誤った枠のなかにおしこめてしまうことは、正しい発展のためにも危険なことです。

 ハメット、チャンドラーについて語る機会もありませんでした。もう一度読みなおし、かならずいつかは、お話したいと思いますが、今はまだその準備ができていません。ただ、十三回の連載のどの回をとっても、私の頭の中には彼らの影がつきまとっていました。

 ハメットの亡霊と呼んでもいいでしょう。活字にこそ現われませんでしたが、ひとりの作家をとりあげるとき、私は、常にハメットらの亡霊と格闘し続けてきました。

 行動派ミステリィ作法のしめくくりとして、まず、ハメット、チャンドラーにふれながら、マンハント三六六人のサムライたちの話をすることにします。

    *

「ハメット、チャンドラーの初期作品を読めばきっとお気づきになることだろうが、あらゆる種類の開発計画の初期と同様に、彼らの作品もまったく荒けずりで不完全なものであるのだが、それは、彼らの創りだしたものの意味や価値を少しも低めるものではないだろう。ひとつたしかなことは、チャンドラー、ハメットの後期の創作活動も含めて数多い作家が、その後、三十年間という長い時間をかけて、タフでリアリスティックな犯罪小説というジャンルを築きあげてきたということだ。そして、その創作活動に発表の舞台を与え大きな貢献をはたしたのが、マンハントという小さな雑誌である。

 故アーチャー・セイント・ジョンによって創刊され、子息のマイケルによって後を引き継がれたマンハント誌は、ブラック・マスク誌が古くさくなり、廃刊になったあとをとってかわり、リアリスティックな犯罪小説の発表の舞台として重要な役わりを受けもつことになった。

 同誌のきわだった特長は、従来ペイパー・バック(*2)本の長篇でしか読むことのできなかった感傷ぬきの、厳しいリアリズムに徹したハードボイルド・タッチの作品を短篇として提供したことだった。

 編集方針は、スタートからはっきりしていた。〝感傷的でも、ロマンティックでもないもの〟というのがそれだ。〈〝起こるかもしれない〟事件ではなく、午前四時のハーレムやタイムズ・スクェアで実際に〝起こっている〟物語を書いて欲しい。感傷も、美化も不必要です。大新聞が、ほんの二行のスペースもさかない暴行・傷害・殺人事件がいくらでもころがっている、と警官や私立探偵が話してきかせてくれるのと同じようなリアルな物語が欲しい。誰がやったか、ということと同時に、なぜ? どうやって? が知りたい。しかも、タフに書いて欲しい〉

 マンハント誌はこの編集方針のもとに、リアリスティックな犯罪小説のジャンルを開拓し、作家を育て、珠玉作品の陳列箱の役目をはたしてきたのだ」

 

 マンハントから十三篇の傑作を集めたThe Best from Manhuntの編集者、スコット&シドニィ・メレディスがそのアンソロジーに付した序文の一節を紹介いたしました。

 

◆ハメットヘの訣別

 

 従来のミステリィに反旗をひるがえし、沈滞気味だったミステリィ界に新風を吹きこみ、大きな反響を得て創刊されたManhunt本国版も十年の歴史を経た今、アメリカのミステリィ界にリアリスティックな犯罪小説の一ジャンルを確立したといえます。          。

 この十年間(五三年――六三年)に三六〇余の作家、千にのぼる作品をマンハントは提供してきました。しかも、全部がオリジナルな作品です。既成作家、中堅作家、新進作家、無名の作家――アメリカのミステリィ界のあらゆる作家が動員されました。

 そして、すべての作品が、マンハントの独自なカラー(編集方針)にそって収録されています。自分の雑誌をもっているL・チャーテリス(*3)、B・ハリディ(*4)さえ自作を寄稿しました。――さすがにE・クイーンとその熱心な信奉者S・エリンなどの作品はみあたりませんが、クイーンなどに出てこられては、かえってマンハントがめいわくするといえるかもしれません。まともな評論はめったに書かず、ていよくタイコモチ役にまつり(*5)あげられているトニィ・バウチャー(*6)さえ、H・Hホークズ(*7)名儀でマンハントに批評のコラムをもったことがあるのですから、あるいはクイーンも、ペンネイムでタバコ代をかせいでいたかもしれません。

 雑誌マンハントのはたした業績は、二十年代(*8)から二次大戦(*9)までの間にBlack Mask誌がなしとげたそれに匹敵するといってもよいでしょう。

 あらゆる様相を呈する現実社会の悪徳を素材にし、そのあるがままの素材を、リアルな手法で感傷をまじえずに書く。この根本的な姿勢は、二つの雑誌が共通して掲げた理想でした。正しくハードボイルド精神と呼ばれるひとつの思想にまで到達した作家は数多くはありません。これはハードボイルドという言葉をキャッチフレーズとして用いたミステリィ界や商業出版社が悪いのでも、通俗的なアクション・ミステリィにはしりがちな読者が悪いのでもないでしょう。先人のきずきあげたひとつの思想・作法から、スタイルのみを借用して、迎合的な作品を書いた作家たちは、あるいは責められるかもしれません。ひとつだけたしかなことは、ハメットにしかみられない彼独自のハードボイルド精神を厳しく受けついだ作家は数少ないことです。これはどういうことなのでしょうか? チャンドラーの場合は、いくぶんの成功への野心と、評論家としての筆鋒と、アルコールびたりの晩年という点でハメットとはいささか異なりますが、この二人がいかに自己に対して厳しく、そして孤独のうちにその生涯を終ったかを考えれば、パイプをくゆらし蔵書の山に満悦しながら、愚にもつかぬ謎とき物語を書いている作家、ウィスキイ・グラスをかたわらに、ハイ・ファイのレコードに耳を傾けながら、ブロンド女とのベッドシーンや〝下腹部に鉛の弾丸〟式の物語をタイプでたたきだしている作家が、いかにスタイルを真似たところで、異質の作品しか生みだせないことは明白でしょう。

 しかし、すぐれた先人が掲げ示した理想を受けつぐことだけが、たいせつなことなのでしょうか。評論家は唯一の基準をそこにおくべきなのでしょうか。正しく継承されていないからといって、これは、誰が誰を責めるといった問題ではありません。アメリカ文学にとって、たとえハードボイルド精神の追求が、唯一の目標であったとしても現実的にいって昨今の商号ライターにその責務をおしつけるわけにはゆかないでしょう。

 ハメットの、非情で、厳しく、リアルな手法は、きわめて粗野な型ででは(*10)ありましたが、彼のすぐれた短篇の中で結晶され完成されました。

 すでに、古典と呼ばれてもおかしくない彼の数々の初期の短篇を、今さら後生大事にお手本として掲げる必要などないでしょう。

 ハメットという作家を研究したり、歴史の流れのなかで彼をとらえることはたいせつですが、今、新しい作家に必要なことは、いかにしてハメットの亡霊から解放されるかということなのです。

 この移りゆく社会情勢のなかで、今さら仰々しく古典的な作家をもちだすのは、骨董品趣味・懐古趣味・時代錯誤でしかありません。ハメットやBlack Maskの諸作品が、あの時代を背景としたからこそ価値があったもの――それは現実社会に対する透徹されたリアリズム以外のなにものでもありませんが、それを、今、この社会をバックにして追求すべきではないでしょうか。

 漠然とはしていますが、私の論は、私自身にも何かをかばっているように感じられます。絶対的な価値でなく、目前に示されたものの中からベストを選ぶといった解説屋根性のなせるわざでしょう。

 時の流れを超越した絶対的な価値がもしあるとしたら、ミステリィにとっては、ひとつは特許制度になっているトリックであり、他のひとつはいうまでもなくあらゆる芸術に共通した作家の魂です。

 ミステリィ作家の創作態度について、現象的にその移りかわりを指摘することはやさしいことです。ハメットはその日その日の飯代にもことかく生活のなかで、必要にせまられて原稿を書きまくりました。文芸活動に、左翼の新生運動の波が押しよせると、積極的に参加しました。〝非情〟という言葉ひとつにしても、作品の表面に現われる作法上の非情さと実際の生活における、現実社会の苛酷さ・厳しさを同時に経験していたのではなかったでしょうか。

 二次大戦を境に、高度の物質文明の繁栄がアメリカ市民に与えた影響も無視することはできません。ミステリィに例をとれば、それはおびただしい数にのぼるペイパーパック本の出版であり、低いレベルでの小説の均一化・基準化であり、消耗品化です。このような現象的な変化は、当然、作家の側にも影響を与えたにちがいありません。あらゆる現象的変化にも左右されない作家の魂――精神が、はたしてどれだけ心のなかに残されているでしょうか。まがいものでない、純粋な作家の魂をみいだそうとする読者の数は、絶対数こそ減らないとはいえ、いかに低い部分率をしか占めていないことでしょうか。

 しかし、誰が悪いのでもなく、つまるところは、作家個人の問題なのです。讃えるにたる作品が数少ないといって、評論家は嘆いたり、視点の異なる立場からけなしたりしますが、この問題に関するかぎり、文章ひとつ書けぬ評論家の発言など何の役にもたたないことは明らかです。

 人間同士の愛情や物欲がかもしだすありきたりな、それでいて怖ろしい犯罪。うすよごれたスラム街や下町でゆきずりに遭遇する犯罪。現実の社会を背景にその必要悪として発生するなまなましい犯罪をリアリスティックに描写すること、料理の腕前や、作家の受けとり方には当然ちがいがあるにしても、それこそ、戦後の混乱したアメリカ社会を描写して、十年の輝やかしい歴史を誇るマンハント誌のなしとげた仕事であり、マンハント・カラーであるといえるでしょう。

 二次大戦と、朝鮮戦争直後、戦傷で受けた肉体と心の傷あとが。登場人物に、暗い、ペシミスティックでシニカルな影を与え、性格設定上の一手法として頻繁に用いられた一時期もありました。それが、軽妙なくすぐりと、アクションと、お色気に終始するプレイボーイ探偵か、赤色スパイものの全盛の観がある、のどかな小春びよりのような昨今の風潮です。しかし、悪徳は、金とレジャーをもてあます表面的には平和なアメリカ社会の底辺をむしばみ、そこを悪の温床として栄えているのです。

 悪徳に対して、不感症になってしまっている現実、それを思うとき、マンハント本国版の明日が望まれるのです。

 私も、二年半にわたって、ハードボイルド・ミステリィのおしゃべりを続けてきたのですが、私はこんな読み方をしているのだ、ということを、これからもお話しする以外にできることはありそうもないのです。私の読み方は、どちらかといえば好意的ですが、ないものねだりや、アラさがしよりはまだましだと思っています。

 本題から離れて、すぐムダ話にスペースをとってしまうのも私の悪いくせかもしれません。

 今月の小論の趣旨は、マンハントの本国版十年と、日本語版五年間のしめくくりをすることなので、このへんで本論に入らせていただきましょう。

 

◆この多彩な作家陣

 

 小さな活字で恐縮ですが、57頁の別表リストは、マンハントの発展的解消のための最終号のしめくくりとして掲載するものです。マンハント誌の良心として受けとっていただきたいと思います。ねがわくばEQMM誌、AHMM誌も、せめて最終号までには掲載作品の一覧表を完成しておいていただきたいものです。出典不明の作品の乱売がめだつだけに一言しておきます。

 リストでおわかりのように、マンハント本国版には、三六六人の作家が動員されています。紙面の関係で、掲載順位十九位(四作)以下の作家は一部省略しました。十八位(五作)までの作家の数は四三名で、全作家の十一%にすぎませんが、作品の数は四七八作で五〇%近く、彼らをマンハントの主要作家と考えてもよいでしょう。

 逆に、十九位以下の三百二十三名の作家が五百作品(平均・約一、五本(*11))にちらばっているという数字から、ミステリィ界への登竜門としての同誌の性格かうかがわれます。

 ( )内に記入してある日本語版マンハントでの翻訳掲載作品数をみてみますと、日本語版順位一〜十一位までの十九作家は、本国版一〜十五位の二十一作家のなかに順位は異なりますが全部含まれていることがわかります。紹介・選択にかたよりがなく、本国版でのすぐれた作家がすべて紹介されたことを示していると言えます。

 トップクラスの作家は、今さら詳述する必要もない有名作家ぞろいで、日本語版掲載順位の上位の作家、E・ハンター、R・デミング、F・フローラ、F・ケーンなどの作家はもちろん本誌がわが国でもっとも多く紹介し、力をいれて世に送った作家と言えます。同様のことは、R・S・プレイザー(*12)、H・ケーン(*13)、H・Q・マスール(*14)、D・アリグザンダー、C・ブルワー、H・エルスン、H・ニールセン、J・クレイグ、C・ベックマンなどの一流の長篇作家、C・ライス、B・フィッシャーといった大家、J・リッチィ(*15)、R・ターナー、T・パウエル、B・ウォルトン、C・B・ギルフォード、R・キャロル、B・ブリストウ、C・メイヤーズといった短篇を得意とする作家についてもいえることです。

 本国版十七位(六作)以下の作家についていえば、R・マクドナルド、G・バグビィ(*16)、F・マハナ、J・ウェッブ、W・C・ゴールト、R・P・ウィルモット・J・D・マクドナルド、R・ワームザー、S・S・テーラー(*17)といったそうそうたるメンバーの長篇作家が4作以上寄稿していることがわかります。そのほかにも、M・スピレーン(*18)、E・S・ガードナー、W・P・マッギバーン(*19)、S・マーロウ、R・スタウト、W・ミラー、W・アイリッシュ、E・レイシィ(*20)、F・ブラウン、W・R・バーネット、J・M・ケイン、R・チャンドラー、J・エヴァンス(*21)などが筆をとっているのです。

 純文学作家に眼を向けてみますと、5作発表しているE・コードウェルを筆頭に、J・T・ファレル、K・フィアリング、J・ワイドマン、I・レヴィン、M・レヴィン、N・オルグレン、C・ジャクスン、E・リプスキイなどのすぐれた作家をみいだすことができ、あたかもアメリカ現代文学の一端をみる感があります。

 作品数こそ少ないのですが、これからマンハントを舞台にのびようとする有望な新人作家も多く、九作(十四位)のM・ズロイをトップに、A・ジェイムズ、J・Q・リン、ゴールド・メダルで長篇を発表したC・ラニョン(*22)、めきめき売りだし中のL・ブロックなどをはじめとして、A・イングリッシュ、C・カーペンティア、J・ゴアズ、R・P・ジョーンズといった面々が顔を並べています。

 本来の持ち味とはやや趣きを異にし、マンハントのカラーに合わせた作品を同誌に寄せた優秀な短篇作家も数多く、5作(十八位)のH・スレッサー以下、C・L・スウィーニィ.G・キャナリィ、S・マーウィン、A・ダヴィッドソン、D・E・ウェストレイク、C・ボーモント、R・ブラッドベリィ、R・ブロック、D・C・クック、H・エリソン(*23)といった作家がみられます。

 芸能人では、S・アレンがいますが、そのほかにもケネス・ムーア、ローレンス・ハーヴェイ、ジャック・レモンといった俳優の名を借りたおもしろいペンネイムの作家がみられます。

 小説以外では、A・J・バリス、E・D・ラディン、D・ソンタップ、J・スウォードなどの実話ものがあり、S・ロスの犯人当てや、H・ヘルファーとF・ハールの珍法律集などがおもしろい読物でした。

 作家の総括はこのぐらいにして、次に評判のよかったシリーズものにふれてみましょう。

 

◆シリーズものの英雄たち

 

 シリーズもので、もっとも評判の良かったのはE・ハンターのカート・キャノン~シリーズでしょう。・

「おれか? おれはなにもかも失った私立探偵くずれの男だ。失うことのできるものは、もう命しか残っていない。名前は、カート・キャノン。昔は、ニュー・ヨーク(*24)でもこわもてのする私立探偵だった。……おれは、今でも私立探偵なのだ。ニュー・ヨークでも指おりの、こわもてのする探偵なのだ」

 訳者の都筑道夫氏が、カート・キヤノン名儀でゴールド・メダルから出版されたペイパー・バック本のキャッチ・フレーズをうまくアレンジして作ったなつかしい前書きです。C・キヤノン~シリーズがマンハント本国版に掲載されたときは、主人公の名前がマット・コーデルだったことは、皆さんごぞんじのことでしょう。都筑道夫氏は八作で終ってしまったこのシリーズに惚れこんだあまり、新カート・キャノン~シリーズを連載し、アメリカを舞台にした和製ハードボイルド・ミステリィの先鞭をつけました。

 キャノンについで評判の高かったものはR・デミングのクランシー・ロス〜シリーズでした。デミングには単行本にもなっているマニイ・ムーンのシリーズもありますが、本誌の読者には、ナイトクラブを経営する賭博師クランシー・ロスのほうが人気があったようです。シリーズ作品は六篇でした。

 この二人に続く四人のサムライたち、ジョニィ・リデル(*25)(F・ケーン(*26))、ピート・チェンバース(*27)(H・ケーン)シェル・スコット(R・S・プレイザー)、スコット・ジョーダン(H・Q・マスール)のめんめんは、マンハントのおかげですっかり有名になりました。中田耕治氏の独特の名調子で語られたチェンバーズ、本号でも長篇で活躍しているS・スコット、ハヤカワで次々に長篇を翻訳しはじめたS・ジョーダン弁護士、正統派ハードボイルドの代表選手J・リデルは、今後とも本誌での活躍が期待される探偵さんたちです。昨年から今年にかけて、岩田宏氏(*28)が次々に紹介してくれた、C・ライスのJ・Jマローン(*29)もまた忘れられない存在です。。

 警察小説も、マンハントの得意とした系統のひとつです。E・マクベインの八七分署シリーズから『白い悪夢たち(麻薬密売人)』『女が爆発する(殺人者の楔)』の二作を、五九年にいちはやく掲載し(*30)、ブームの火つけ役に一役かったことは御承知のとおりです。

 デミングにも警察ものの異色作品が多くみられました。また、ルポルタージュ風のN・Y警察ものを得意としたJ・クレイグの十八分署(*31)シリーズも忘れられないものです。彼の作品は、むしろ長篇(ゴールドメダル(*32))で評判が高かったようです。ふう変りな警察ものとしては、J・ウェッブの空港詰め刑事(四篇)がありました。

 特定のシリーズものとはいえませんが、マンハントを考えるとき忘れてならないのは、非行少年ものとお色気ものの二系統の作品です。

 田中小実昌氏の十八番、H・エルスンを筆頭に、チンピラものを得意とした作家に、E・ハンター、R・デミング、J・リッチィ、R・ターナー、D・アリグザンダーなどを挙げることができ、作品数こそ少ないのですが、ジェイスン・ジャニュアリィ(地下鉄の中の悪ふざけ)、パット・スタッドリィなども印象に残る作品を発表しています。

 すでに名をあげた作家のなかにも、もちろんお色気描写が好きな連中が多いのですが、そのほかにも、B・ウォルトン、R・キャロル、G・ブルワー、B・ブリストウ、C・メイヤーズ、J・Q・リン、A・マーマーといった短篇を書かせたらなかなかの腕前の作家がめじろおしに並んでいます。

 お色気といっても、ドキッとするようなオチのついたもの、サディスティックなもの、変質者の心理をテーマにしたものなど、いろいろですが、セックスの描写こそ、時代の風潮の移りかわりにもっとも敏感なようです。異常さが異常でなくなってきている現代では、むしろセックス描写が少なくなってきている傾向です。

 現実に忠実である、ということをモットーとするなら。風俗小説にもそれなりの意味があり、またそれなりに忘れさられてゆく宿命もつきものだといえるでしょう。

 マンハントを舞台にして、長篇・単行本に移行していった作家、いぜんとして短篇だけに専心している作家、彼らがこれからどのように成長し、名声をかちえてゆくかはわかりません。これまでにマンハントに発表された千にのぼる作品のうち、どれだけが後世にのこる名作であるかも、わかりません。

 しかし、これらの作家の願いは、おそらく名作たらんとすることより、むしろ読者を楽しませることにあったのでしょう。そして、エンターテインメントとして書かれた数多い作品のなかに、私たち読者は作家の現実をみつめる鋭い観察眼と批判の精神にときたまぶつかり、そのなかにキラッと輝くものをみいだして、ドキッと胸を打たれるのです。

「私は、私の描く暴力に、なんらの弁解もしない。暴力は、常に存在したものであり、今も存在する。だが私は、カンバスに描かれた血まみれの絵におわらないものを、ここに描こうと努力した」

 これは、『ジャングル・キッド』にハンターのつけた前書の一部です。

 

◆日本語版の名手たち

 

 本国版の作家の話に紙数を費やしてしまいましたが、日本語版で翻訳やコラムに活躍を続けておられる諸先生方についても一言せねばならないでしょう。延べ百人を越える翻訳者の全員に登場願うことは不可能ですが、宇野利泰、井上一夫、矢野徹、中田耕治、稲葉由紀、田中小実昌、山下諭一、沖山昌三、高橋泰邦、飯島永昭、丸本聡明、川口冬生、清水康雄、鈴木導、岩田宏、都筑道夫など各氏の独特の味わいのある作品や、また異色の翻訳家として、荒正人、北村小松、荻昌弘氏らの登場を思いうかべるだけでも、本誌が翻訳スタッフに恵まれていたことがわかるでしょう。

 本誌だけではなしに、広く活躍されている先生方も多く、コラムニストとしても、また、都筑、中田、高橋、矢野、山下氏のように作家としても健筆をふるっておられる方が多くみられます。本誌五年間の歩みも、各氏それぞれの発展に相まって、いっそう拍車をかけられてきたといえます。マンハントを舞台にして活躍された方々が、今後とも本誌のために楽しい翻訳や、読物を提供されることを望みたいものです。

 アーティクルや連載読物やコラムも本誌の特色のひとつですが、たとえば、永六輔、前田武彦、向井啓雄、双葉十三郎、淀川長治、小森和子、富田英三、大橋巨泉、福田一郎、久保田二郎、関光夫、湯川れい子、志摩夕起夫、安倍寧、ドクトル・チエコ、青江耿介、長沢節、寺山修司、河野典生、結城昌治、星新一氏ら、一流の作家・詩人、映画・音楽評論家が筆をとり、コラムニストとしても野坂昭如、山下諭一、紀田順一郎、大伴秀司氏などがセンスのある読物で愉しませてくれました。ミステリィの評論・解説・批評では、各翻訳スタッフをはじめとして、川崎はじめ、「諭」「信」「貝」「秀」などが活躍しました。

 連載読物ではとりわけ『夜はおシヤレ者』の植草甚一氏を忘れることはできません。すでに四十回を突破して、書き続けておられます。

 『推理的マリリン・モンロウ伝』『G線上のアリア』の二連載は、いまさら著者の名をあげる必要もないでしょう。ウェスタン(亜坂卓巳)、ファッション(うらべ・まこと)、実話(大森貝介)、ボクシング(野田開作)、カー(創作工房)そして、ちかごろ出色のタレント・片岡義男氏の『もだん・めりけん珍本市』をはじめとした多彩なコラム、さらにはスマートなイラストや荒いタッチのさし絵で本誌の紙面をにぎわしてくれた多士済々な画家のめんめんも忘れることができません。そしてもうひとつ、編集部の方々の努力と、本誌のコラムでもっともおもしろいと評判の小説の第一ページめにつけられたウィットに富んだ前書き。

 ――まるで、マンハント五年問の憶い出話になってしまいましたが、本誌はけっして本号で終るのでなく、これまでのマンハント・カラーを忘れずに、さらに来月号から大発展をしようとしているのですから、おおいに期待が寄せられると思います。

 

◆…そして明日への期待

 58ページの次号予告にあるように、マンハント改題「ハードボイルド・ミステリィ・マガジン」第一号はとても期待できる内容です。

 毎号掲載のブック・ボーナスの第一回として、ライオネル・ホワイトの Run, Killer, Run! (*33)が予定されています。五二年の作品で、荒けずりなところもありますが。その荒っぽさが逆に身上となっている作品です。

 二百万ドルを積んだ銀行の装甲車襲撃計画に端を発し、ニュー・ヨーク、マイアミ、キー・ラーゴ、ハバナへと次々に舞台が移るアクションものです。前科者、悪徳弁護士、ニムフォマニアック(*34)な女、ヒーローになりそこなって死ぬ装甲車の運転手、拳銃狂、職業的なギャング等々、登場人物もにぎやかですが、死体も一章にひとつは確実に転がりこんできます。

 同様の趣向の設定はJ・H・チェイスの作品にもありますが、ハードボイルドなタッチ、登場人物のタフでエゴイスティックな性格ということになると、まったくおもむきのちがった作品です。

 ハードボイルド・アドヴェンチュア(*35)(B・フィッシャー)おなじみの私立探偵シリーズ(J・リデルとP・チェンバース)もみのがすことができません。このへんまでは従来の本誌のカラーにぴったりの顔ぶれですが、J・D・マクドナルド、I・ショウ、W・サムブロット、W・タッカーなどの名が予告にみられます。都会風俗小説、奇妙な味をねらった短篇にも、どうやら食指をのばしているようです。眼のこえた読者なら、きっと楽しめるにちがいない盛り沢山な献立ですか、なによりも、作品本位に選ぶべきだと望んで、今回のお話を終ることにします。

 では、また来月、新装なった本誌の誌上でおめにかかることにいたしましょう。

 

◆追記

 

 連載を終るにあたり、次の各氏に深甚なる感謝の意を表します。

 「どうも、固すぎますねえ、研究ものは」といいながら連載を続けさせてくださった中田編集長および編集スタッフの方々。

 御教示・御指導いただいた中田耕治氏、都筑道夫氏、田中小実昌氏、山下諭一氏、大原寿人氏、田中潤司氏。

 資料を提供いただき、語り合う機会も多かった、片岡義男氏、仁賀克雄氏、山口剛氏、伊藤吉昭氏、青木秀夫氏およびWMCの各氏。

 

 

Manhunt本国版掲載作品順位表(作家別) 1953年1月〜1953年4月

順位 氏名   作品数

日本語版

掲載本数

順位 代表作
1

Evan Hunter

 Evan Hunter    

 Richard Marsten  

 Hunt Collins 

 Ed McBain

エヴァン・ハンター

 エヴァン・ハンター

 リチャード・マーステン

 ハント・コリンズ

 エド・マクベイン

45

 23

 13

 17

 2

34

 20

 7

 5

 2

1

 

 

 

 

 

歩道に血を流して

臆病な闘牛士

 灼ける接吻を

女が爆発する

2

Richard Deming

 Richard Deming

 Max Franklin   

リチャード・デミング

 リチャード・デミング

 マックス・フランクリン

37

 31

 6

31

 25

 6

2

 

 

 

そっくりそのまま

殺人実験室  

3 Jonathan Craig ジョナサン・クレイグ 27 7 11 スクラップブック
4 Hal Ellson ハル・エルスン 23 13 6 ハトの宿
5 Jack Ritchie ジャック・リッチィ

21

15 4 油虫
6 Frank Kane フランク・ケーン 19 18 3 わき腹を見せる女
  Robert Turner ロバート・ターナー 19 14 5 男のルール
7 Fletcher Flora フレッチャ・フローラ 18 18 3 電話をかけ終るまで
8 Craig Rice クレイグ・ライス 16 13 6 静かな田舎警察の一日
  Talmage Powell タルメッジ・パウエル 16 10 8 鉄の肺の中で
9 Bryce Walton ブライス・ウォルトン 14 8 10 なまめかしい宝石
10 David Alexander デヴィッド・アリグザンダー 13 10 8 ずぶろく
11 Richard S. Prather リチャード・S・プレイザー 12 12 7 月月火水木金金
  C. B. Gilfotd C.B.ギルフォード(*36) 12 9 9 男飼い
12 Roy Carroll ロイ・キャロル 11 7 11 ハイウェイの悪夢
13 Henry Kane ヘンリィ・ケーン 10 10 8 ナイトクラブの女
  Gil Brewer ギル・ブルワー 10 8 10 のどかな日曜日の午後
14 Harold Q. Masur ハロルド・Q・マスール 9 9 9 ジョーダンの厄日
  Michael Zuroy マイケル・ズロイ 9 4   窓の中の絞片台
15 Bruno Fischer ブルノー・フィッシャー(*37) 8 8 10 さらば美しの我が指輪
  Bob Bristow ボブ・ブリストウ 8 5   長いながい時間
16 Carroll Mayers キャロル・メイヤーズ 7 5   浮気のお仕置
  Charles Beckman チャァールズ・ベックマン(*38) 7 5   最後の大取引
  Helen Nielsen ヘレン・ニールセン 7 3   判決
17 J. R. MacDonald ジョン・ロス・マクドナルド 6 5   危険な金髪
  Al James アル・ジェイムズ 6 3   ごほうびはベッドであげる
  Jack Q. Lynn ジャック・Q・リン 6 3   多情むすめ
  Norman Struber ノーマン・ストルーバー 6 3   大物への道
 

George Bagby

(Hampton Stone,

Aaron Marc Stein を含む)

ジョージ・バグビィ

 

 

6

 

 

3

 

 

 

私は夫が欲しい

 

 

18 Floyd Mahannah フロイド・マハナ 5 4   雲の上の死刑台
  Henry Slesar ヘンリィ・スレッサー 5 5   なぐられ屋
  Jack Webb ジャック・ウェッブ 5 4   空港・異状なし
  Stuart Friedman スチュアート・フリードマン 5 3   欲望をあやつる女
  Arnold Marmor アーノルド・マーマー 5 4   色きちがい
  C. L. Sweeny, Jr. C.L.スウィーニイ 5 3   真夏の夜の夢
  De (D. E.) Forbes デ・フォーブス(*39) 5 3   おそろしい遊び
  Richard Hardwick リチャード・ハードウィック 5 2   仕事はじめの夜
  Robert S. Swenson ロバート・S・スウェンソン 5 3   ろくでなし
  Arnold English アーノルド・イングリッシュ 5 2   悲しきビジネスマン
  Charles Carpentier チャールズ・カーペンタイア(*40) 5 3   ガン・クレージー
  Joe Gores ジョー・ゴアズ 5 3   プロ
  Robert Page Jones ロバート・ペイジ・ジョーンズ 5 3   二日酔い横町
  Erskine Caldwell アースキン・コードウェル(*41) 5 1   週末の客

 第18位までの小計 43作家 478作品

19 

4作発表の主要作家(28人中)

W. C. Gault  4 (4) Robert Patrick Wilmot 4 (3) Glenn Canary 4 (2)Lawrence Block 4 (4)James T. Farrell 4(1) John D. MacDonald 4 (4) Sam Merwin, Jr.  4(1) Richard Wormser 4(3) Sam S. Taylor 4 (3)

20

3作品発表の主要作家(194人中)

William O'Farrell 3(3) Mickey Spillane 3(2)Brett Halliday 3 (3) David Goodis  3(3)Charles Williams 3(2) Fredrick Brown 3(2) Richard Ellington 3(3)Charles Runyon 3(3)

Abram Davidson(*42) 3 (1)

21

2作品発表の主要作家(45人中)

Steve Frazee 2(1) Stephen Marlowe 2(2) William Irish 2(2) Ed Lacy 2(2) James M. Cain 2(2)Ovid Demaris 2(1)Kenneth Fearing 2(1)Charles Jackson 2(1) B. Traven 2(1)Donald E. Westlake 2(1)Charles Beaumont 2(2) David C. Cooke 2 (2)

22

 1作品発表の主要作家(241人中)

E. S. Gardner, W. P. McGivern, J. McKimmy, B. McKnight, D. Hamilton, R. Stout, H. Whittington, W. Miller, B. Heatter, E. Basinsky, F. C. Davis, W. Brown, W. R. Burnett, R. Chandler, L. Charteris, W. R. Cox, H. R. Daniels, J. Evans, I. Levin, M. Levin, J. Weidman, N. Algren, E. Lipsky

 総計 366作家 978作品(*43)

 

 

*出典 『マンハント』1963年7月号 

 

[校訂]

()内は現在の一般表記、[]内は注釈、誤→正

*1:最終回 →[1962年8月号掲載の「前説」を含めると、63年7月号まで続いたこの連載コラムは、この最終回で13回目となる。]

*2:ペイパー・バック → ペイパーバック

*3:L・チャーテリス(チャータリス)

*4:B・ハリディ(ハリデイ)

*5:まっり → まつり

*6:トニィ(トニー)・バウチャー

*7:H・Hホークズ → H・H・ホームズ

*8:二十年代 → 二〇年代

*9:二次大戦 → 第二次大戦

*10:型ででは → 型では

*11:平均・約一、五本 → 平均約一・五本

*12:R・S・プレイザー(プラザー)

*13:H・ケーン(ケイン)

*14:H・Q・マスール(マスア)

*15:J・リッチィ(リッチー)

*16:G・バグビィ(バグビー)

*17:S・S・テーラー(テイラー)

*18:M・スピレーン(スピレイン)

*19:W・P・マッギバーン(マッギヴァーン)

*20:E・レイシィ(レイシイ)

*21:J・エヴァンス(エヴァンズ)

*22:C・ラニョン(ラニオン)

*23:H・エリソン(エリスン)

*24:ニュー・ヨーク(ニューヨーク)

*25:ジョニィ(ジョニー)・リデル

*26:F・ケーン(ケイン)

*27:ピート・チェンバース(チェンバーズ)

*28:岩田宏氏 → [小笠原豊樹氏のこと]

*29:J・Jマローン→ J・J・マローン

*30:[本国版ではエド・マクベイン名義だが、日本語版では「エヴァン・ハンタア」名義]

*31:十八分署 → 六分署

*32:ゴールド(・)メダル

*33:Run, Killer, Run! → Seven Hungry Men! (Rainbow Books, 1952) の再刊(Avon, 1959)で、邦訳は「逃げろ、地獄へ!」(《ハードボイルド・ミステリィ・マガジン》第1号、1963年8月号訳載)

*34:ニムフォマニアック → ニンフォマニアック

*35:アドヴェンチュア → アドヴェンチャー

*36:C. B. Gilfotd  C.B.ギルフォード→ C. B. Gilford C・B・ギルフォード

*37:ブルノー(ブルーノ)・フィッシャー

*38:チャァールズ・ベックマン → チャールズ・ベックマン

*39:デ・フォーブス(ディフォーブズ)

*40:チャールズ・カーペンタイア → チャールズ・カーペンティア

*41:アースキン・コードウェル → アースキン・コールドウェル

*42:Abram Davidson → Avram Davidson

*43:Manhunt 本国版1953年1月号は Manhunt Detective Story Monthly として創刊されたが、新聞雑誌売場には52年12月に並んだ。56年4月号からただのManhuntに誌名を変更。出版社はニューヨークのフィフス・アヴェニュー545番地にある《フライング・イーグル出版》で、コミックス出版社の《セント・ジョン出版》の系列会社だった。初代の編集長はジョン・マクラウドという名前だが、マクラウドも次期編集長のフランシス・X・ルイスも実在しない。文芸代理人のスコット・メレディスが実際の編集長だったと、《スコット・メレディス文芸代理店》で一時働いていたローレンス・ブロックが書いているから確かだろう。Manhunt は成功し、まもなく同じ《フライング・イーグル出版》から Verdict とか、Menace、Murderという姉妹雑誌が発刊された。イギリス版は7カ月遅れの同じ内容で1953年8月号から54年9月号まで(全13号)続いた。そのあと、イギリスの《ボードマン出版》がManhunt 本国版掲載の作品のほとんどを再録した Bloodhound を1961年5月号から62年7月号まで(全14号)刊行した。

 小鷹さんがこの「行動派ミステリィ作法/最終回」を発表した《マンハント》日本語版1963年7月号は、1958年8月号に創刊した日本語版の最終号でもあった。出版元の久保書店からは翌月に《ハードボイルド・ミステリィ・マガジン》63年8月号が誌名を変えて再出発したが、残念ながら6号目の64年1月号に終刊した。

 センターフォールドのない本国版のほうは、66年2月3月合併号から隔月刊になり、67年4月5月合併号で、14年半続いた「犯人追跡(マンハント)」は終了した。

 

 

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